遠い日と 今と これから・・・

ずっと 書く人でいたかった私の 歌とか 物語とか 毎日思うこととか…

ちょっとひとやすみ……哲学の夜

いまでも時々思い出す40年前のこと。

夜中に目覚めて、心臓がドキドキして止まらなくなりました。
怖い夢をみたとか、金縛りにあったとかではなく、自分の心臓の鼓動を、
(今動いているドキドキの1回は二度とない1回…これが止まったら死ぬ…)
のように感じて、
ドキドキして…息苦しくて…ますますドキドキして…今思えば、過呼吸のようになっていたのかもしれません。

怖くて起き上がったら、父から心配されたけれど、なにが怖いのかを伝えきれず(自分でもなんなのかがわからないから説明のしようがなくて)、仕事でいなかった母のことを、
「お母さんは?まだ帰って来んと?」
と何度も父に訊いていました。母がいないことが寂しいわけではなかったのだけど…。

「もうすぐ帰ってくるけん寝ときなさい」
となだめられ、仕方なくまた布団の中で自分の鼓動を感じて、泣きながらそのうちまた寝てしまったのです。
あれはなんだったのでしょう。

と思っていたら、同じような夜があった人を、二人見つけました。
ひとりは友人。ひとりは短歌投稿サイトでまさしくそれを詠んだ人。
私は8歳か9歳でしたが、二人も同じぐらいの年齢だったそうです。

子どもながらに、生と死 とか 自分の存在 とかを考える「哲学の夜」があって、
きっと自我が目覚めていく過程に起きる現象なのではないかと思います。

人格を形成していくには、その前の乳幼児期や、その後の思春期、青年期、それ以降にもたくさんの目覚めや気づきがあるのでしょうが、私にとっては、記憶にある最初のそのときが、あの夜だったのだと思います。